虫歯だけとは限らない?歯磨きしないと起こるリスクと対処法

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
歯磨き しない

最近実は、面倒であんまり歯磨きしていないんだよなーというあなた、もしかしたら歯磨きをしないことの本当のリスクに気づいていないかもしれません。毎日歯磨きを嫌がる子どもに頭を悩ませるママ、子どもが喜ぶ歯磨きの方法を知って、できれば一緒に楽しく歯磨きしたいですよね。

歯磨きをしないと、虫歯になりやすくなります。さらに、大人だと歯周病のリスクがぐっと上がってしまいます。歯周病は大変恐ろしい病気で、これを放置すると、口だけでなく全身疾患にもつながってしまいます。

この記事では、そんな「歯磨きをしないことで起こるリスク」をご紹介します。そして、歯磨きを嫌がるお子様のママやどうしても歯磨きが面倒な大人の方へ、楽しい歯磨き方法や、最低限「これだけはやってね!」という口内を綺麗にするポイントなどの対策法をご紹介します。

これを読めば、歯磨きをしないことで起こるリスクその対策法 を正しく理解して、虫歯・歯周病知らずの健康な歯を手に入れられるはずです!

1. 歯磨きをしないリスク

歯磨きをしないと、どんなリスクがあるのでしょう?真っ先に思い浮かぶのが、「虫歯」 ではないでしょうか。もちろん、歯磨きをしないと虫歯になりやすくなります。また、虫歯の他にも歯周病になりやすくなる というリスクがあります。

子どもと大人では特に注意すべきリスクが異なるので、ここでは、それぞれの場合に分けてご説明します。これを読んで、ママはしっかり子供の歯磨きの重要性を知ってもらい、大人は自分の歯磨きへの危機感をつよめてもらえればと思います。今日からでも遅くありません。ぜひ、歯磨きをしてください!

1-1. 子どもは虫歯に特に注意

〇口内のダメージ

歯磨きをしないことによる、子どもへの一番の影響は虫歯です。なぜなら、子どもの歯は柔らかかく、「再石灰化」が行われていないからです。

再石灰化とは、歯を虫歯から防ぐメカニズムのことです。食事をすると、歯の成分が溶けだす「脱灰」が起こります。その後、溶けた歯が元の状態に戻るのですが、これが再石灰化という働きです。

再石灰化

子どもの歯は、再石灰化が十分に起こらないので、虫歯になりやすいんです。更に子どもの歯は、歯自体が柔らかいことに加え、表面のエナメル質が薄いです。

歯の構造

虫歯の原因菌であるミュータンス菌は、このエナメル質を溶かして虫歯となります。ですのでエナメル質の弱い子どもの歯は虫歯が進行しやすいのです。歯磨きでしっかり汚れを落とすことが重要な時期 と言えます。

また子どもには、「乳歯の時期」「永久歯に生え変わる時期」があります。時期の違いで虫歯リスクは変わります。時期による違いを見てみましょう。

●乳歯の時期(生後3カ月~6歳くらい)

乳歯の赤ちゃん

乳歯永久歯に比べ、虫歯になりやすいです。理由は2つあります。

理由1: エナメル質が永久歯より薄いこと。その厚さは永久歯の1/2程度です。このことにより、虫歯の原因菌であるミュータンス菌がエナメル質を溶かしやすく、また一度虫歯になるとどんどん神経まで進行していきます。

乳歯 永久歯 比較

理由2: 乳歯の奥歯は溝が細かく、汚れが溜まりやすい形をしていること。ただでさえ汚れが溜まりやすいのに、歯磨きをしないことでどんどん汚れが蓄積してしまいますね。

●永久歯に生え変わる時期(6歳~12歳頃)

歯抜け 女の子

乳歯から永久歯に生え変わる時期も虫歯になりやすい時期です。理由は2つです。

理由1: 歯が柔らかく虫歯菌が歯の中に侵入しやすいため
理由2: 生え変わりの時期は歯の高さがバラバラなので、汚れが溜まりやすいため。

従って、永久歯が生えそろうまでの1年~1年半は、歯垢が溜まりやすい状態 なので、歯磨きをしないなんてもってのほかです。

特に6歳頃に生えてくる「第一大臼歯」 が、永久歯の中で最も虫歯になりやすい歯だと言われています。第一第臼歯は上下の最も奥歯にあたる歯で、生えはじめは特に汚れが溜まりやすいです。

〇全身のダメージ(虫歯の放置)

虫歯を放置すると、虫歯が神経に到達してしまいます。この時点では神経を抜くことで治療が可能です。更に放置すると何が起こるか、見ていきましょう。

ステップ1:骨髄炎
神経が死ぬと、口内で細菌がばらまき始めます。この細菌はなんと、あごの骨にまで進出してしまいます。そうなるとあごは腫れて炎症を起こし、あごの骨が炎症を起こして「骨髄炎」となります。骨髄炎は腫れや痛みのみならず、悪寒から、高熱を引き起こすこともあるそうです。

ステップ2:虫歯菌が全身に感染
虫歯菌が血液に入り込んでしまうと、全身の各部位に感染する可能性が高まります。具体的には、肺炎・脳梗塞・心筋梗塞などが挙げられます。虫歯菌を放置し続けると、このように全身へ影響を及ぼすこともあるのです。とても怖いです。

1-2. 大人は特に歯周病に注意

〇歯周病発症

大人が歯磨きをしない場合、もちろん虫歯になるリスクもあります。しかし、虫歯より歯周病 になるリスクが高いです。逆に子どもより虫歯になりにくいのは、再石灰化が進み子どもより歯が硬いからです。

歯周病とは、歯垢に含まれる歯周病菌に感染し、歯を支える骨が破壊される病気です。歯と歯肉の間に歯垢が溜まった状態が続くと、細菌が溜まっていき、歯ぐきの腫れや口臭が起こり、放っておくと歯が抜けてしまう怖い病気です。

さて、歯磨きをしないと歯周病になる流れを見ていきましょう。

歯磨きをしない状態が続くと、歯垢が溜まり、その中の細菌が歯ぐきに炎症を引き起こします。そうすると歯ぐきは炎症を受けて赤くなったり、腫れていきます。これが歯肉炎 です。

歯肉炎がさらに進行すると、歯と歯ぐきの間の溝である「歯周ポケット」が深くなっていきます。歯周ポケットが深くなると、そこに溜まった汚れがさらに炎症を起こし、歯の土台である骨が溶けていく事態にまで進行します。その結果、歯がグラグラするようになり抜歯、という結果になってしまうのです。

健康な歯 歯周病の歯

〇歯周病が全身疾患へ

歯磨きをサボると、歯周病リスクが上がります。しかし、歯磨きをしない影響は口内だけではありません。歯周病は、口内だけでなく、全身の疾患に影響を及ぼすことが多くの研究から分かっています。歯磨きをしないで歯周病になった場合、歯周病だけで済むわけじゃない!ということなんです。

では、具体的にどのようなリスクがあるのか見ていきましょう。

(1) 誤嚥性(ごえんせい)肺炎

誤嚥性肺炎とは、細菌が唾液や胃液と共に肺に流れ込んで発症する肺炎 のことです。誤嚥性肺炎の原因となる菌を調べた研究結果では、歯周病菌の他、多くの口腔細菌が検出され、歯周病菌が発症に関与していることが分かりました。

誤嚥性肺炎は歯周病菌以外にも原因がありますが、歯磨きなど、口内のケアを徹底させることで発症率が低下することが分かっています。歯磨きを怠ると肺炎の恐れがあるなんて、驚きですね。

(2) 糖尿病

糖尿病患者の、なんと大部分は歯周病に感染しています。糖尿病にはいくつかの合併症があることが知られていますが、歯周病もその一つとされています。また合併症であるばかりでなく、歯周病が糖尿病発症のリスクになることも知られています。

(3) 心臓及び循環器疾患

歯周病に罹患していると、心血管疾患の発症リスクは1.15〜1.24倍高まると言われています。

(4) 早産・低出生体重児出産

女性は歯周病にかかりやすいと言われており、特に妊娠中はそのリスクが高まります。その秘密は女性ホルモンにあります。妊娠中は女性ホルモン量が増加します。その中でも、エストロゲンという女性ホルモンは、ある特定の歯周病菌が増殖するのを促進します。妊娠中は女性ホルモンの量が増えるので、その分歯周病になる可能性が上がるのです。そうして妊娠中に歯周病にかかっている人は、かかっていない人に比べて、早産や低体重児を出産するリスクが約5倍高まることが、研究から分かっています。

歯周病から全身疾患へ

2. 歯磨きしない子どもへの対処法

ここでは、歯磨きをしない子どもへの対処法をご紹介します。うちの子は歯みがきを嫌がって全然しないのよ!というママさん、ぜひ参考になさってください。

2-1. フッ素

虫歯予防にはフッ素 を活用することをおすすめします。

フッ素は虫歯予防にとても重要な役割をもっています。フッ素は再石灰化を促進するので、歯を強くします。また、虫歯菌の働きを抑える作用があるので、虫歯予防に効果的です。

ここではそんなフッ素配合商品をご紹介します。

●ミラノ―ル(フッ素洗口液)

ミラノール

ミラノールフッ素の洗口剤 です。こちらは市販で販売していない商品なので、歯科医院で処方してもらいましょう。 歯磨きをとにかく嫌がってしょうがないお子様には、無理に歯磨きさせるのではなく、こちらでうがいをさせるだけでも虫歯予防になります。

使用方法は簡単。ミラノ―ルを水で溶かして洗口液を作り、30-60秒うがいをします。これを一日1回行います。

本来は歯磨きの後に使用するのですが、あまりに嫌がる場合は、ミラノ―ルでうがいだけでもさせてあげましょう。虫歯予防率約20-60%程度と、国内最強の予防効果があります。

●レノビーゴ(フッ素スプレー)

レノビーゴ

レノビーゴは、うがいの出来ないお子様(1歳~3歳)に有効な商品 です。歯にフッ素をスプレーする商品です。歯にスプレーでフッ素を塗布するので、うがいをする必要がありません。

虫歯予防率約10-30%程度です。1本約1500円(2か月分)です。

レノビーゴ

レノビーゴ増量品 38ml(1,521円、ゾンネボード製薬)

●チェックアップジェル(フッ素ジェル)

チェックアップジェル

チェックアップジェルは、LIONが発売している商品で、グレープ味、オレンジ味など色んな味があります。虫歯予防効果約10-30%程度と低めですが、歯磨きが嫌いなお子様にも好まれる味なので楽しく磨けますし、少量であれば食べても大丈夫です。

1本約600円(約1か月分)です。

チェックアップジェル

ライオンチェックアップジェル 60g(626円、LION)

2-2. 楽しい歯磨きアプリ

いまでは、すっかり育児アイテムの一つにもなったアプリ。歯みがき用のアプリがあるのをご存知ですか?楽しんで歯みがきできるよう工夫されているので、歯みがきをしない、歯みがきを嫌がる子どもにもおすすめです。

●MOUTH MONSTER

mouth_monster

サンスターから発売された歯ブラシとネットが繋がるIoT歯ブラシです。別売りの歯ブラシ(5,000円)が必要です。歯磨きをしながら、実際の菌をモデルにしたモンスターたちと戦うゲームが出来ます。退治したモンスターは、アプリの中にコレクションすることが出来るので、毎回の歯磨きが楽しくなりそうです。

●歯磨き貯金

歯磨き貯金

歯磨きのプロである現役歯科医が開発したアプリです。アプリを起動すると、3D画像でお口の中がアニメーション表示され、歯の磨き方をアプリが教えてくれて、画面内の歯ブラシの動きに合わせて歯を磨きます。アプリで歯磨きを連続30日間行うごとにご褒美アイテムが溜まり、集まると歯磨きビューに反映されます。正しい歯磨き方法をナビしてもらえるだけでなく、アイテムを貯める楽しみで続けることもできますね。

3. 歯磨きしない大人への対処法

ここでは、歯みがきしない大人への対処法をご紹介します。一度ついてしまった生活習慣はなかなか正すのが難しいですよね。まずは、次にご紹介する方法をやってみてください。

3-1. 最低限夜だけ磨く!

最低限夜には歯を磨こう

毎食後に歯磨きをしようとは言いません。一日1回の歯磨きでも、虫歯や歯周病を予防することは可能です。最低一日1回は歯を磨きましょう!「1日1回でいいの…?」と不安に思った方もいるかもしれません。

実は過去にこんな研究結果が出ています。3日に一度、または4日に一度しか歯垢除去をしない場合、歯肉炎を発症するということが示されました(Langら、1973)。一方で、2日に1度綺麗に除去すれば、歯肉炎の兆候は見られなかったそうです。2日に1度でも良いとのことですが、歯磨きすることを忘れないためにも、1日1回磨くことをオススメします。

そしてその1回はにしましょう。なぜ夜かというと、就寝中は唾液の分泌量が減り、それにより細菌が増えてしまうからです。歯周病リスクを減らすために、夜の歯磨きが重要です。

一日一度も磨かないことがあるあなた、一日一回の歯磨きから始めてみませんか?

3-2. 間食を控える

間食は控えよう

間食が多かったり、一日の食事回数が多いと、その分虫歯になりやすくなります。

口の中は、食事をすると酸性になり歯が溶けます。これは時間が経つと再石灰化という働きによってもとの状態に戻りますが、間食が多いと歯が溶け続けてしまいます。間食を減らす努力をしてみましょう。

4. まとめ

いかがでしたか?歯磨きをしないと起こるリスクと歯みがきをしない子供、大人への対処法をご紹介してきました。

歯磨きって実はすごく大事なんだなと思ったあなた。歯磨き習慣を見直して、無理のない、楽しい歯磨き生活を手に入れてくださいね。

 

参考文献
本当のPMTC その意味と価値~臨床研究30年のエビデンスに基づいたプラークコントロールの効果とPMTCへの応用6~ Prof.Axelsson D.D.S.,ph.D.著

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

定期購読はFacebookいいね!がおすすめ

コメントを残す

*