全身疾患のもと!「沈黙の病気」歯周病とは?

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歯周病と聞いて、どんなイメージを抱きますか?おじさんがなる病気?まだまだ自分には関係ない?実は歯周病とは私達に非常に身近な病気で、放っておくと歯だけでなく、全身に害を与える怖い病気なのです。

歯医者で言われたことがあるけれど、歯周病ってどんな病気かよくわからない!とお思いのあなた。ぜひここで歯周病への理解をぐぐっと深めていきましょう。

この記事では歯周病の原因からその症状、放っておくリスク、そして歯周病にならないための予防法や、もうなってしまった人のための治療法まで徹底解説!読み終えた頃には歯周病とはどんな病気かわかり、歯周病にならないために取るべき行動がわかります。

1. 歯周病の症状

「歯周病」 と聞いて、どんな病気か具体的にイメージできますか?歯周病って名前は有名だけど、実際どんな症状があるのか、わかりにくいですよね。歯周病は症状なく進行するのが特徴で、肝臓の病気と同じく「沈黙の病気」と呼ばれます。ある程度進行するまで痛みはほとんどなく、自覚症状がないままどんどん体を蝕んでいく恐ろしい病気です。歯ぐきが腫れたり痛みが出たりなど、自覚症状が出る頃には、時すでに遅し、なんてこともありえます。

ここでは、そんな歯周病の具体的な症状を解説します。

歯周病には大きく分けて4つの段階 があります。まずは下の表をご覧ください。

進行 歯周病の段階 症状 ポケットの深さ
軽度 歯肉炎 歯ぐきが赤い。たまに歯ぐきから血が出る。 2~3mm
中度 軽度歯周炎 歯ぐきが腫れて、ぶよぶよしている。たまに血が出る。 3~4mm
中等度歯周炎(歯槽膿漏) 歯が少しグラつく。歯ぐきが赤く腫れ、膿が出る。よく血が出る。たまに歯ぐきが痛む。 4~6mm
重度 重度歯周炎 歯がかなりグラグラする。歯ぐきも赤く、かなり下がっている。歯ぐきがズキンズキンと痛む。歯磨きのたびに血が出る。 6mm以上

歯肉炎、軽度歯周炎、中等度歯周炎、重度歯周炎、これらを総称して歯周病と呼びます。歯磨き粉のCMなどでよく聞く歯槽膿漏も、歯周病の一種だったのですね。

では、どうやって歯周病の症状を判断するのでしょうか?それは、歯医者でプロービング」 という方法で、歯周ポケットの深さを測り、判断します。プローブという専用の道具を使い、歯と歯ぐきの間にできた歯周ポケットと呼ばれる溝の深さや出血を見ます。

歯医者で検査を受ける場合は、予約をする時に、「歯周病の検査をしたい」ということを伝えてください。3,000円~3,500円で受けることができます。

2. 歯周病になる原因

歯周病の一番の原因は、歯垢(プラーク)歯石です。鏡を見た際に、歯の表面や歯と歯の間に食べカスのようなものを見つけたことはありませんか?実はあれが歯垢(プラーク)なのです。食べカスと思われがちな歯垢ですが、実は細菌のかたまりです。なんと歯垢1g中に100億もの細菌が潜んでいます。

そして日々の歯磨きで磨き残してしまった歯垢は、2週間で歯石となり、1ヶ月もすれば歯にがんこに付着してしまいます。歯石は菌の死骸が固まった物で、歯石にも歯垢と同じ毒性成分があります。そのため、歯ぐきが炎症を起こす原因となります。さらに、歯石は歯垢が非常につきやすいです。歯石にはさらに歯垢が付着し、またそれが大きな歯石となり、さらにまた歯垢が付着する、という悪循環に陥ってしまいます。

そして歯周病の主な原因菌であるP.g菌は、歯垢の中に潜んでいます。磨き残しにより、歯と歯の間や、歯と歯ぐきの間にできた歯石に、P.g菌を含んだ歯垢が付着します。すると、P.g菌は毒素を含んだガスを放ち、歯ぐきや歯の根本を攻撃します。その結果、歯ぐきは腫れて、歯を支える歯槽骨はどんどん溶かされていってしまいます。これが歯周病です。

非常に怖い歯周病という病気ですが、治療や予防を適切に行えば、歯周病にかかるリスクも減らすことができます。

3. 歯周病になりやすい人

歯周病の直接的な原因は、2章でご説明したとおり歯垢と歯石にあります。ですが、歯周病になりやすい生活習慣 というのもわかっています。これらに該当する人は、更に注意が必要です。

3-1. 喫煙者

喫煙をしていると歯周病になるリスクが3倍になると言われています。喫煙は歯ぐきの黒ずみを招くだけでなく、免疫機能を低下させたり、毛細血管を収縮させたりします。その結果、体内の白血球の機能が低下してしまったり、体内が酸欠になりP.g菌が繁殖しやすくなったりし、歯周病に非常にかかりやすくなってしまいます。

さらに、喫煙者の歯ぐきは出血をしづらく、歯周病に気づきにくいといわれています。長年タバコを吸っている方は、一度歯医者で検診を受けた方がいいかもしれません。

3-2. 糖尿病の人

糖尿病と歯周病は相互に非常に関係が深い病気です。糖尿病になると、免疫力が下がるため歯周病にかかりやすくなるだけでなく、糖尿病の人は歯周病が治りにくいとも言われています。それは逆も同じで、歯周病と糖尿病は相互に影響しあうやっかいな病気です。

3-3. 免疫力が低下している人

免疫力が低下すると、歯周病にかかりやすくなります。免疫力が低下するのはいくつかの原因があります。

・不規則な生活習慣
睡眠不足、寝る時間が日によって違う、食事の時間が不規則、偏食、など、不規則な生活習慣は免疫力を低下させます。

・ストレス
ストレスは自律神経系やホルモンバランスなどに影響を与え、免疫力を低下させます。

・冷え
免疫機能は主に白血球のはたらきによるものです。その白血球が最も活発にはたらくのが、体温が36.5~37.0度のときです。体温が下がると、白血球のはたらきが弱まり、免疫力が低下してしまいます。

4. 歯周病を放置するリスク

歯周病は「沈黙の病気」 と呼ばれ、自覚なくしてどんどん体を蝕んでいく、恐ろしい病気です。出血や痛みなど、自覚症状が出ることには、時すでに遅し、なんてこともありえます。そのため、歯ぐきが赤い、腫れる、血が出るなど、歯周病の可能性がある症状が見られた場合は、放置せずすぐに治療する必要があります。では、実際に歯周病を放置しておくとどんなリスクがあるのか、この章で解説します。

4-1. 歯が抜ける

人間、歳を取ると歯はいずれ抜けるものだろう、などと思っていませんか?それは大きな間違いです。歯を失う最大の原因は歯周病です。 現に、歯周病の危険性が広く知れ渡っており、予防も徹底されている歯科先進国では、80歳になっても歯がほとんど残っている老人がたくさんいます。

1章で説明したように、歯周病は進行するとどんどん歯ぐきが下がっていき、歯がグラグラになっていきます。そのまま放置をし続けると、弱った歯と歯ぐきはいずれ限界を迎え、歯は抜けてしまいます。

歯が抜けると、脳が衰え、認知症になってしまったり、噛む力が弱まることで老けて見えたり、とさらに体に影響を与えます。

4-2. 全身疾患

歯周病が与える影響は、口内だけにとどまりません。歯周病菌は歯ぐきから血液に侵入し、血液の流れにのって全身を移動します。そうして全身の病気に影響を与えていくのです。

歯周病は動脈硬化を引き起こし、狭心症・心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすリスクがある 他、糖尿病 メタボリックシンドローム とも強い関係性があると言われています。他にも、歯周病の人は骨粗鬆症胃潰瘍、誤嚥性肺炎 などを引き起こすとも言われています。

歯周病が関係する病気は、命を落とす危険性のあるものが多いです。気付かずに重大な状態になっていた、なんてことも起こりかねません。ですが、ご安心ください。歯周病の治療を正しく行えば、これらの全身疾患のリスクは低下します。

妊婦さん要注意!歯周病は早産を引き起こすリスクがある

歯周病は、ホルモンバランスとも深い関係があります。中でも注意したいのが、妊娠をしている方です。妊娠すると、ホルモンバランスが変わりますよね。その結果歯周病になりやすくなります。また、つわりのため歯磨きがしづらくなり、その結果として磨き残しが多くなってしまいます。その結果歯垢が溜まって、歯周病になりやすくなります。

恐ろしいのは、歯周病菌がだす「サイトカイン」という物質が、陣痛促進剤に使われている成分とそっくりであること。そのため、歯周病を放っておくと早産低体重児の出産のリスクがあります。

5. 歯周病の予防法

絶対歯周病になりたくない!そうお思いの方に、今からでもできる歯周病の予防法 を紹介します。歯周病予防のポイントは、歯垢、歯石を除去することです。歯垢は歯磨きで落とすことができますが、磨き残しをしてしまうと、2週間程で歯石になってしまい、固まってしまいます。歯石は歯磨きでは落とすことができません。

歯周病予防には定期的な歯のクリーニングです。そして毎日の歯磨きでのケアも大切です。

5-1. 一番の歯周病予防法は定期的な歯のクリーニング!

歯周病を予防するには、まずは歯医者に行きましょう。なぜなら、歯医者は歯垢も歯石もきれいに落としてくれるからです。そのときにおすすめなのが、自由診療である「歯のクリーニング」 というメニューです。

歯のクリーニングとは、大きく「スケーリング」「塩のジェットパウダー」「PMTC」に分けられます。「スケーリング」は歯についた歯石をきれいに取り除きます。「塩のジェットパウダー」は歯についたコーヒーやタバコによるヤニ・着色を除去します。最後に「PMTC」で歯についた歯垢をすみずみまで落とします。

自由診療で受ける歯のクリーニングは、一度で歯についた全ての歯垢・歯石を落とすことができます。歯のクリーニングを受けるならば、予防歯科や審美歯科に力を入れている歯医者がおすすめです。ネットで調べたときに、ホームページに「予防歯科」「審美歯科」の文字がある歯医者や、「予防歯科」「審美歯科」と調べて出てくる歯医者がいいでしょう。自由診療のため価格は医院ごとに異なりますが、相場価格は5,000円~20,000円 です。

歯のクリーニングは定期的に受けることで歯周病を予防できます。 健康な人は3ヶ月に一度、歯周病の疑いのある人は1ヶ月に一度受けることがおすすめです。

保険でも歯のクリーニングは受けることもできます。一回あたりの費用は安いですが、一度で全てを落とし切ることはできず、何度も通う必要があるため、歯周病予防には向きません。

歯のクリーニングの内容や効果、受け方などの詳細を知りたい方は、世界の常識!ニッポンの非常識?健康のための「歯のクリーニング」入門をごらんください。

5-2. 歯磨きでのケアも大切!歯垢を落とせる歯磨きのポイント

歯医者で歯のクリーニングを受けたあとにおすすめなのが、歯磨きでの予防 です。正しい歯磨きをすれば、歯垢はほとんど落とすことができます。そのためには守るべきポイントがあります。

・歯ブラシは、歯と歯ぐきの間に斜め45度にいれて振動させる
歯垢は歯と歯ぐきの間に溜まります。そこの歯垢を落とすつもりで、歯に対して斜め45度の角度で歯ブラシを当てましょう。

・歯ブラシは小刻みに動かす
歯ブラシを歯に当て、そこで小刻みに動かしましょう。大きくゴシゴシしても、細かいところの歯垢は落ちません。目安として、一つの歯に対し10~20回細かく振動させましょう。

・手になるべく力を入れない
歯ブラシを持つ手にはなるべく力を入れないようにしましょう。力を入れすぎて、歯に歯ブラシが押さえつけられるようになってしまうと、毛先がつぶれて寝てしまいます。そうなるとせっかくの歯磨きも意味をなしません。鉛筆を持つように、軽く握る程度で十分です。

・デンタルフロスや歯間ブラシを使う
なんと、歯ブラシだけでは歯垢は60%しか落とせないと言われています。なぜなら、歯垢の多くは歯と歯の間にあり、歯ブラシだけでは取り切ることは難しいからです。そこで大活躍するのが、デンタルフロスや歯間ブラシです。これらで歯と歯の間の歯垢を落とすことで、歯垢はさらに取り切ることができます。

おすすめのデンタルフロスや正しい使い方は「デンタルフロスとは魔法の糸!オススメの商品と正しい使い方」をご覧ください。

・1日1回でもしっかりと歯を磨く
上で紹介したポイントを正しく実践しようと思うと、10分以上かかります。1日3回適当に歯を磨くくらいならば、これらのポイントを正しく実践して、夜1回でもいいので10分間歯を磨くことが効果的です。

正しい歯磨きの仕方で、なるべく歯垢をきれいに落としましょう。

歯周病予防におすすめの歯磨き粉

歯周病予防には、コンクールジェルコートF という歯磨き粉がおすすめです。こちらの歯磨き粉は泡立ちが強すぎないので、長く歯磨きができるうえ、クロロヘキシジンという歯周病菌を殺菌できる成分が含まれています。見た目もおしゃれでおすすめです。

コンクールジェルコートF 90g (1080円、ウェルテック)

6. 歯周病の治療法

歯周病の治療は、おおきく3段階に分かれます。口腔清掃指導(歯磨き指導) と、スケーリング(歯石取り)SRP(スケーリング・ルートプレーニング)、そして外科治療です。軽度の歯周病の方は歯磨き指導とスケーリング、中等度の方はそれに加えSRP、重度で歯がグラグラの方には更に外科治療が必要です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

進行 歯周病の段階 必要な治療法
軽度 歯肉炎 口腔清掃指導(歯磨き指導)、スケーリング(歯石取り)
中度 軽度歯周炎 口腔清掃指導、スケーリング、SRP(スケーリング・ルートプレーニング)
中等度歯周炎(歯槽膿漏)
重度 重度歯周炎 口腔清掃指導、スケーリング、SRP、外科治療

6-1. 口腔清掃指導(歯磨き指導)

2章でご説明したとおり、歯周病は歯垢が主な原因です。そのため、歯垢を適切に除去することが重要 です。歯医者で行う口腔清掃指導(歯磨き指導)では、歯垢の染め出し液を用いて口内の歯垢がどこについているか、つまりどこを日常的に磨き残しているかを確認します。その後、口内の清掃指導をしていきます。

歯周病は歯医者の治療のみでは完結せず、毎日の歯磨きでどれだけケアできるかも非常に重要です。歯医者の歯磨き指導で歯磨きのクセなどがわかれば、より効果的な歯磨きをすることができ、歯垢をなるべく少なくとどめることができます。

なお、歯磨き指導で使う歯垢の染め出し液は、Amazon等で買うこともできます。気になる方は、一度自宅で試してみるのもいいですね。

6-2. スケーリング(歯石取り)

スケーリングとは、いわゆる歯石取りのことです。スケーリングは超音波スケーラーという器具を用いて行います。超音波振動の力で歯石を砕き、水で洗い流して除去します。主に歯の見えている部分と歯と歯ぐきの間の浅い部分の歯石を除去します。軽度の歯周病(歯肉炎)レベルであれば、スケーリングまでを行います。

6-3. SRP(スケーリング・ルートプレーニング)

SRPでは今歯についてしまっている歯垢や歯石、細菌に感染したセメント質等の歯周病の原因を除去し、歯の表面を滑らかにすることで、歯垢のつきにくい状態にする方法です。SRPは、ハンドスケーラーという器具を用いて行います。特に、歯石や歯周ポケットの奥、歯の根元付近の組織は歯ブラシでは取ることができないので、歯周病治療において非常に重要な手法となっています。

6-4. 外科手術

SRPでも歯周病の原因が取り除けない場合、あるいは歯周病の進行が重度な場合、外科的な手法を取る必要があります。外科手術では、深くなった歯周ポケットを治療するものや、溶けてしまった歯槽骨を再生させる方法など、いくつかの方法があります。重度の歯周病の場合、どの方法を取るかは歯医者とよく相談しましょう。

7. おわりに

いかがでしたか。歯周病について、わかっていただけましたか?歯周病は絶対になりたくない、体を蝕む恐ろしい病気です。歯周病にならないためには、歯医者で検診を受け、定期的にクリーニングをし、正しい歯磨き方法を日々実施することです。さっそく実践して、お口の健康を手に入れましょう!

 

参考文献
デンタルバイオフィルム 恐怖のキラー軍団とのバトル 奥田克爾著
新しいエビデンスに基づく歯周基本治療のコンセプト フルマウスディスインフェクション・光殺菌・抗菌療法 吉野敏明編著

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