「大切な人、愛する家族のために、いつまでも健康でありたい。」と思う気持ちは年齢を重ねるごとに深くなっていきますよね。
ところが歯医者に行ったら、歯周病と診断されたという方。歯周病は放っておくと、口元だけの問題ではなく、全身に害を与える怖い病気 なのです。
すでに貴方が歯周病なら、実はこの記事で紹介する全身疾患の黄色信号が点滅しているかもしれません。まずは、歯周病が引き起こす全身疾患について理解を深めていきましょう!
ここでは、歯周病と全身疾患の関係について詳しくご説明いたします。読み終えていただくと、歯周病と全身疾患の関係がわかり、健康のためにとるべきアクションがわかります。
Contents
1. 知らないと怖い、歯周病が引き起こす全身疾患
歯周病は、口腔内から血管に入り、全身の臓器に様々な疾患を引き起こします。歯周病にかかることで、全身疾患にかかるリスクが通常に比べて高まってしまうと言われています。ここでは、その代表的な病気と歯周病との関係性を解説します。
1-1. 脳梗塞
脳梗塞とは、脳に酸素や栄養が行き届かなくなり、脳組織が壊死してしまったものをいいます。
歯周病菌がプロテアーゼという酵素を出して、血しょうを凝固させると動脈硬化を引き起こし、脳梗塞に結びつきます。歯周病患者は健常者に比べ、脳梗塞のリスクが約2倍 に高まります。
1-2. 心臓病
心臓病の症状はさまざまです。無症状のものもありますが、動悸、息切れ、胸痛などの典型的なものから全身倦怠感、めまい、むくみなどさまざまな形で症状が出ます。心臓病の中でも最も危険といわれているものが心筋梗塞で、これは血管が血栓などにより完全に閉塞する病気です。
歯周病菌がプロテアーゼという酵素を出して、血しょうを凝固させると動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞に結びつきます。歯周病菌が心臓弁幕へ感染し、細菌性心内膜炎を引き起こします。歯周病患者は健常者に比べ、心臓病のリスクが約2倍 に高まります。
1-3. 糖尿病
糖尿病とは血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が上がる病気です。初期症状としては、のどがよく渇く、水をたくさん飲む、トイレに行く回数が増えるというものがあります。
糖尿病が進行して重度の症状となると嘔吐、全身倦怠感があり、最悪の場合、大量の生理食塩水の点滴、一時的なインスリン注射などを始めないと死亡するケースがあります。
歯周病になると糖尿病になりやすく、糖尿病になると歯周病になりやすくなります。 歯周病は軽度の場合、自覚症状が出にくく、また軽症の糖尿病の場合も自覚症状がみられないことが多いため、発見が遅れることがあります。そのために合併症になりやすいのです。
歯周病患者は健常者に比べ、糖尿病のリスクが約2~4倍 に高まります。
1-4. 肺炎
一般的に肺炎とは、細菌やウイルスなどの病原体が肺に入って感染し、肺に炎症が起こる病気のことです。
肺炎の一種に誤嚥性肺炎があります。誤嚥とは、何かを食べたり飲んだりした時にそれが食道に入らず、気道に入ってしまうことをいいます。細菌の混じった唾液を誤飲すると、歯周病菌が肺炎を引き起こします。
1-5. 肥満
肥満とは、体の脂肪や内臓に「異常なほど」 脂肪が蓄積した状態のことです。肥満は万病のもとといわれています。
歯周病になると、脂肪を燃焼させたり、血栓予防や動脈硬化予防の作用がある、アディポネクチンの濃度が低下したり、血中性脂肪濃度の上昇が起こる可能性があり、肥満に繋がります。
2. 歯周病による女性のリスク
歯周病は全ての方が気をつけるべき病ですが、特に女性の方に気をつけて頂きたい病気でもあります。ここでは、特に女性の方に気をつけていただきたい、歯周病による疾患とその理由を解説します。
2-1. 未熟児出産(早産)
赤ちゃんは母親の羊水にある「プロスタグラジン」という成分が一定量になると生まれます。しかし、お母さんが歯周病にかかると「プロスタグラジン」が急増します。本来の出生時期より早く一定量に達するため、早産を招く のです。歯周病の方は、通常の4~7倍の未熟児出生・早産 に繋がります。
2-2. 骨粗鬆症
閉経後の女性は、エストロゲンの分泌が低下し、発症した歯周炎の進行過程に悪影響を及ぼすと考えられます。日本人の女性の閉経平均年齢は、約50歳といわれています。年齢を重ねるととも、起こる身体の変化のタイミングで、健康に対する意識や行動の変化が必要になります。
3. 歯周病を悪化させないための5つの対策
歯周病を治療すれば大丈夫、と思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし、歯周病の治療は定期的に行う必要があります。また根本的な歯周病を対策するためには生活習慣から変えることが大切です。
ここでは、まず簡単に始められる、歯周病を悪化させないために行うべき生活習慣を説明します。
3-1. 鼻呼吸にする
口呼吸をしている方は鼻呼吸にする必要があります。
なぜ、口呼吸がダメなのか?それは口の中が乾燥しやすくなる ためです。口の中は、常に唾液によって殺菌されています。しかし、口呼吸の方はお口の中が乾燥しやすく、唾液によって汚れが洗い流されないために、歯周病が進行しやすくなります。
とはいっても、すぐに口呼吸をできないという方は、まずはマスク着用から始めましょう。マスクでお口の乾燥を防ぐ ことができますよ。
3-2. ストレス解消の習慣を始める
ストレスは歯ぎしりの原因となり、歯ぎしりは歯周病を悪化させます。歯に大きな力がかかる歯ぎしりをそのままにすると、歯を支えている歯の周りの骨が溶けてしまい歯周病が進行してしまいます。
歯ぎしりは食事をするときに歯や歯茎にかかる力の何十倍もの力が加わる 為、歯周病を悪化させてしまいます。
1日6分、読書をすることでストレスを解消できると言われています。読書習慣をはじめてみましょう。
3-3. 歯周病に効果的な食事をとる
糖分を少なめにとり、歯周病予防に効果のあるビタミンB2・C・E を取りましょう。これらのビタミンを含む食べ物としては以下のものがあります!
ビタミンの種類 |
多く含まれる食べ物 |
ビタミンB2 | レバー、のり、いくら、豚レバー(肝臓)など |
ビタミンC | 赤ピーマン、黄ピーマン、のり、アセロラジュースなど |
ビタミンE | 赤ピーマン、アーモンド、玄米、えだまめ(生)など |
表をみていただくと、どのような食材がどんなビタミンを含んでいるかおわかりいただけると思います。他にも歯周病予防に効果のある食材はございます。歯周病予防に効果のある食材選びと料理づくりをしていきましょう!
3-4. 質の高い睡眠をとる
免疫力の低下によって、お口のなかの細菌が増加します。高い免疫力を高めるために、十分な睡眠が必要 となります。睡眠の質を高めるためには、神経や胃などに刺激を与えること をやめましょう。就寝前のカフェインやアルコールの摂取、喫煙、大量の食事などがあてはまります。
また、寝る前の勉強や仕事、テレビやスマホの使用も脳の神経に刺激を与えてしまいます。眠る直前は、好きな音楽を聴いたり軽めの読書をしたりして、リラックスした状態 をつくってください。体だけではなく脳もリラックスさせていきましょう!
3-5. 禁煙生活を始める
タバコを吸っていると、タバコのタール成分が歯周病の原因となるプラークを付きやすくします。さらに、タバコのニコチンは、歯茎の血管を収縮させ血流障害を引き起こし、白血球の機能を50%低下させ、そして歯肉の修復に必要な繊維綿細胞のhたらきを低下 させてしまいます。
とはいっても、禁煙ってなかなか厳しいですよね。禁煙による口元の寂しさは「ガムやグミ」を食べることで置き換えていきましょう。
4. おわりに
いかがでしたか?歯周病が引き起こす全身疾患について、おわかりいただけましたか?お口の健康が、全身の健康にも大きく影響を与えることは、衝撃的ですよね。今日から、身近な歯周病対策をはじめていきましょう!