
「なんだか口が乾いている気がするな…」「唾液も少ない」そう思うことはありませんか?唾液は虫歯を予防したり、口臭を抑えたりなど、多くのはたらきを持ちます。唾液がネバネバする、口臭が気になる、という症状がある場合は、ドライマウスという病気の可能性もあります。唾液が少ないと、虫歯になりやすかったり、口臭がしたり、舌や歯茎を痛めたり、味覚障害になったりする恐れがあります。そんな生命にも関わる唾液は、いたって簡単な方法で増やすことができます!
この記事では、唾液が少ない原因と、唾液を増やすためにできる対策をご紹介します。これを読めば、今すぐに唾液の増やし方を実践でき、乾いた口を潤して、健康的な生活を送ることができます!
Contents
1. あなたにはどれが当てはまる?唾液が少ない原因とは?
口の中の乾燥、少ない唾液にお悩みの方、これから紹介する唾液の少なくなる原因に思い当たるものがあるかもしれません。唾液が少なくなる原因をそれぞれ見て行きましょう。
1-1. 日常の習慣の要因
日頃の習慣から、唾液が少なくなってしまう場合があります。それは、噛む回数が少なかったり、噛む力が弱かったり、口呼吸をしていたりする場合です。唾液は噛むことにより分泌されるので、食事の時に噛む回数が少なかったり、噛む力が弱かったりすると、唾液がうまく分泌されず、口が乾燥してしまいます。また、口呼吸は口内を乾燥させ、唾液が乾いてしまいます。
1-2. 緊張など心理的要因
緊張で口がカラカラ、、、なんてことも、たまにありますよね。確かに緊張すると口の中は乾いてしまいます。それは仕方のないことかもしれませんが、そのような心理的要因も立派な唾液が少なくなり口が乾く原因です。緊張している状態は、交換神経が優位に働いている状態です。このときに唾液は少なくなります。これに思い当たる人は、なるべく緊張の要因から離れるようにしたり、リラックス、息抜きできることに打ち込み、副交換神経が優位な状態を作りましょう。
1-3. 喫煙・飲酒
タバコに含まれるニコチンは、血管を縮小させて血行を悪くします。その結果唾液の分泌が減ってしまいます。また、アルコールは揮発性の物質なので、摂取すると口の中が乾きやすくなります。また、利尿作用も働きますので、体内の水分が減り、唾液が少なくなります。喫煙、飲酒の習慣がある人は、タバコ、お酒を控えましょう。
1-4. 薬の副作用
薬の副作用で唾液が少なくなってしまうこともあります。例えば、高血圧用の薬や鎮痛剤、抗うつ剤などの薬は唾液が少なくなる副作用があります。だからといって自己判断で薬を飲むことをやめるのは危険です。担当医に相談しましょう。
1-5. シェーグレン症候群
シェーグレン症候群という病気で唾液が少なくなるとも言われています。シェーグレン症候群はドライアイやドライマウスを引き起こし、関節リウマチなども引き起こすと言われています。シェーグレン症候群は原因がまだ解明されていません。
2. 唾液を増やすためにできる対策7選
唾液が少なくなる原因、そして唾液の少ないリスクについておわかりいただけたかと思います。ここでは、唾液を増やすためにできる対策をご紹介します。簡単にできる順に紹介しているので、まずは一つでも意識してやってみてください。
2-1. よく噛む
最も手軽にできる唾液を増やす対策は、噛む回数を増やすことです。噛む回数を増やすことで、唾液腺が刺激され、自然と唾液の分泌が増えてきます。
2-2. 閉口テープ・マスクなどで夜間の乾燥を防ぐ
閉口テープやマスクで乾燥を防ぎましょう。こちらは主に口呼吸などが原因の方に特におすすめの対策です。口内の乾燥、そして唾液が少なくなる原因が睡眠時にある場合には、閉口テープやマスクをして寝るのもおすすめです。口を閉じられるようになると自然に鼻呼吸になり、口呼吸による唾液の減少は抑えられるでしょう。
2-3. カフェイン・アルコール・ニコチンの摂取を減らす
カフェインやアルコールの摂取量を減らすことも唾液を増やす対策の一つです。なぜなら、これらの物質には利尿作用があり、体外に水分を出してしまいます。すると体の中の水分量が減少し、その影響で口内が乾燥します。そうならないためにも、なるべく利尿作用のあるものの摂取は控えましょう。
2-4. 水分を多くとる
水分補給ももちろん大事な方法です。いたってシンプルですが、水で口の中を潤すことも非常に大切です。唾液が少ないと起こる問題のうち、唾液の成分などが直接影響しないものは、水分補給をして口内を潤すだけでも改善できます。なので、日常的な水分補給を心がけることも大切です。
2-5. 唾液腺マッサージをする
唾液腺マッサージをすることで、唾液の分泌量を増やすことができます。具体的には、舌下腺マッサージ、顎下腺マッサージ、耳下腺マッサージの3つが主なものです。
詳しい唾液腺マッサージのやりかたは、「ダイエット中の気になる口臭の原因と6つの対策」をご覧ください。
2-6. 薬の変更や量を減らす
薬の副作用による唾液の減少の場合、担当医と相談の上、変えたり種類を減らしたりできる薬は変えましょう。
2-7.ガム、タブレット(砂糖不使用推奨)
ガムを噛んだり、タブレットを舐めたりすることも効果的です。ガムを噛むことは唾液腺の刺激になるし、タプレットは舐めるだけでじわじわ唾液が出てくるものがあります。その時に注意したいのが、砂糖不使用のものをなるべく選ぶということです。砂糖はかえって口の中を乾燥させてしまうので、砂糖の入っていないものが望ましいです。
3.日常生活に支障ができるリスクがいっぱい!唾液が少ないことで起こりうる6つの症状
唾液が少ないことは、様々なリスクがあります。ここでは、唾液が少ないリスクを紹介します。
3-1. 虫歯・歯周病になりやすい
歯は、脱灰と再石灰化を繰り返しています。唾液には、歯の再石灰化を促すはたらきがあるので、唾液が少なくなると歯の再石灰化がされにくくなります。また、唾液は口内の菌のはたらきをコントロールしています。唾液が少なくなると、口内の菌が活発化し、歯周病など、菌由来の病気になりやすくなります。
3-2. 口臭がする
口臭は、舌の上の舌苔が原因である場合があります。舌苔は、唾液が少なくなり、口の中が乾燥しているとでき、さらに落ちにくくなります。口呼吸による口臭については、「口臭の原因は口呼吸だった!今すぐできる7つの治し方」をご覧ください。
3-3. 口内炎ができやすい
歯茎や頰の内側は、日頃は唾液によって保護されています。唾液が少なくなると、歯茎や頬を守っていた唾液がなくなると、直接食べ物が口の中を刺激するようになり、口内炎ができやすくなります。
3-4. 舌や歯茎を痛めやすい
2-3と同様に、口内が乾燥すると、舌を保護している唾液の膜がなくなります。すると舌が歯に直接触れることになり、炎症を起こしたりします。
3-5. ものを飲み込みにくくなる
唾液は、食べ物を飲み込みやすくなったり、消化を助けたりするはたらきがあります。唾液が少なくなると、食べ物が飲み込みにくくなります。
3-6. 味覚障害になる
唾液が少なくなると、舌が炎症を起こします。舌の上には、味覚を司る細胞があります。その細胞は、舌が炎症を起こすことにより、味を感じにくくなり、味覚障害になります。
4. あなたはドライマウス?唾液分泌量チェック
唾液が慢性的に少ないあなた、もしかしたらそれはドライマウスという病気かもしれません。以下のチェック項目に当てはまる場合は、ドライマウスの可能性が高いです。
- 唾液がネバネバする
- 口の中がヒリヒリと痛い
- よく水を飲む
- パンやおせんべいなど乾いたものが食べにくい
- 味がわかりにくい
- しょう油、ミカンなどがしみる
- しゃべりにくい
- 口臭が気になる
- 水を飲むため夜間に起きる
- 舌や唇がひび割れる
5. 唾液のある人生はこんなにも素晴らしい!唾液が人生を豊かにするベネフィットとは?
5-1. 食べ物の消化を助ける
唾液には、アミラーゼという消化酵素が含まれています。アミラーゼにはでんぷんを分解する作用があります。でんぷんは炭水化物に含まれており、パンやご飯を分解します。これは、食べ物の栄養をよく吸収し、胃腸の負担を軽減することにもつながります。また、味を正しく感じられるようにすることも唾液の大切なはたらきです。
5-2. 口の中の乾燥を防ぐ
唾液は口の中の潤いの源です。口の中を唾液が潤してくれているおかげで、ドライマウスにまつわる症状も出ないですね。さらに、唾液が少なくなると、体が水分不足だというサインを出していることにもなるので、水分補給をするべきタイミングがわかります。また、緩衝材になり、口の中に傷がつくのを防ぐ役割もあります。
5-3. 口の中を清潔に保つ
唾液には、口の中を清潔にする働きもあります。洗浄作用や自浄作用とも言われますが、唾液には口の中、特に歯などについた汚れや食べかすを洗い流す作用があります。
5-4. 口の中を中性にする
唾液は酸性に傾いた口の中を、中性に戻すはたらきがあります。また、リン酸カルシウムなどにより、歯が溶け出す脱灰という作用を止めるだけでなく、歯の修復である再石灰化を促進させます。再石灰化が促進されると、虫歯になりにくいと言われています。特に食後などは口内が酸性になり脱灰してしまうので、唾液をたくさん出して、口内を中性にして、再石灰化を促進しましょう。
5-5. 細菌の繁殖を防ぐ
リゾチーム、ラクトフェリンなどの唾液に含まれる物質は、細菌の繁殖を防ぐはたらきがあります。これは、悪い菌を殺菌するだけでなく、口内の菌のバランスを保つはたらきもあります。
6. おわりに
唾液が少なくなる原因と、とるべき対策、そして唾液のはたらきについておわかりいただけましたか?原因がわかることで、適切な対策を取ることができると思います。唾液を増やして、お口の健康を手に入れましょう!