「歯並びが悪くて見た目が気になる」「将来的に歯を失うリスクが高い」といった理由で、歯列矯正 を検討している方は非常に多いです。さらにはコロナ禍で口元を隠せるということから、実際に歯列矯正を始めている方も相当増えています。
そんな歯列矯正ですが、期間や痛み、料金などの気になる部分も多いですよね。今回は歯列矯正の種類について、最近増えてきたマウスピース矯正 やインビザライン 等についても詳しくご紹介します。それぞれの料金やメリット・デメリットについても詳しくご紹介するので、歯列矯正を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
Contents
歯列矯正の種類と特徴について
歯列矯正にはいくつかの種類があり、どれを選択するかによって痛みや料金などが変わります。現在日本で行われている歯列矯正は、以下の3種類 が主流です。
・表側矯正
・裏側矯正(フルリンガル、ハーフリンガル)
・マウスピース矯正(インビザライン、キレイライン等)
これらの種類について、それぞれの方法の特徴をご紹介していきましょう。
①表側矯正
まずは表側矯正 についてご紹介しましょう。表側矯正は最も一般的な矯正方法で、ブラケット を表側(唇側)につけて矯正を行います。
歯列矯正と聞くと、最もイメージしやすいのが表側矯正ではないでしょうか。表側矯正は最も歴史が古く、多くの症例に対応することができる矯正方法です。
「表側矯正は見た目が目立って気になる…」という方も多いかもしれません。以前は銀色のブラケットを全ての歯に装着する方法が主流 だったため、器具が目立つことは避けられませんでした。
しかし、最近では透明のブラケットや白いワイヤーなどの目立たない矯正器具 も使用されるようになってきました。そのため、以前のイメージとは違って目立たない表側矯正 も増えてきたのです。
②裏側矯正(フルリンガル、ハーフリンガル)
2つめにご紹介するのは裏側矯正 です。裏側矯正とは、歯の裏側(舌側)にブラケットやワイヤーを装着して歯列矯正を行う方法です。
表からは器具が全く見えないので、誰にも気づかれずに歯列矯正を行うことも可能 です。ただし、目立たない奥歯などには表側に器具を装着する場合もあるので覚えておきましょう。
裏側矯正には、「フルリンガル」 と「ハーフリンガル」 の2種類があります。フルリンガルは、上下どちらの歯も裏側に器具を装着する方法、ハーフリンガルは上の歯のみ裏側矯正、下の歯は表側矯正で行う方法です。
下の歯は装置がついていてもあまり目立ちません。さらに下の歯だけでも表側矯正にしたほうが費用を安く済ませることができるため、ハーフリンガルを選択する方も比較的多くいらっしゃいます。
③マウスピース矯正(インビザライン、キレイライン等)
最後にご紹介するのはマウスピース矯正 。表側矯正・裏側矯正に続いて、新しく日本に導入された歯列矯正の方法です。
マウスピース矯正は、透明のマウスピース を1週間~2週間程度の頻度で交換 し、徐々に歯並びを整える方法です。装置が目立たず、食事の際は取り外しが可能なので衛生的。
よく耳にする「インビザライン」 「キレイライン」 とは、マウスピース矯正の種類です。インビザラインは世界中で800万人以上を超える歯列矯正の実績があります。また、歯列矯正の先進国であるアメリカやカナダにおいては、実に70%以上の歯科医院でインビザラインが採用されているのだそう。
一方でキレイラインは、日本の国家資格を持っている歯科技工士がマウスピースを設計します。マウスピース1枚から手軽に始めることができるので、軽度の歯列矯正 に向いていることが特徴。
インビザラインとキレイラインは、見た目は似ているものの全く別物だと思っていただいて差し支えありません。
それぞれの歯列矯正の料金はどのくらい?
歯列矯正について、種類ごとの特徴が分かりました。ここで気になるのが、「実際にかかる料金はどのくらい?」 という点ではないでしょうか。
ここでは、それぞれの歯列矯正方法でかかる料金の目安についてご紹介しましょう。ご紹介する料金はあくまで目安であり、実際の歯並びや治療方法によっても異なりますのでご了承ください。
表側矯正における料金の目安
表側矯正は、どの方法よりも相場が安い矯正方法です。一般的な料金の目安は、10万円~150万円程度 といわれています。
「メタルブラケット」 と呼ばれる金属製のブラケットが最も安価であり、透明のブラケットや白いワイヤーなどの審美性の高いアイテムになると相場が上がります。
裏側矯正における料金の目安
裏側矯正は、フルリンガルとハーフリンガルで料金が変わります。目安として、フルリンガルは80万円~150万円程度 、ハーフリンガルは70万円~130万円程度 といわれています。
歯列矯正は自由診療 のため、フルリンガルとハーフリンガルの費用の差も歯科医院によってさまざまです。どちらにするか検討中の方は、一度目安の料金を算出してもらうことをおすすめします。
マウスピース矯正における料金の目安
マウスピース矯正は、インビザライン矯正 とキレイライン矯正 で金額が大きく異なります。
インビザライン矯正 は、表側・裏側矯正と同様に最終的な噛み合わせまで考えた歯列矯正です。そのため、相場はおおよそ70万円~150万円 ほど。
一方でキレイライン は見える部分だけを整えたり、部分的に改善したりすることを目的とした歯列矯正です。そのため、初回は2万円程度 、総額で10万~50万円ほどで満足する方が多いようです。
マウスピース矯正の場合、噛み合わせを含め歯列の状態を完璧に整えたい のか、見た目だけ美しく整えたい のかという目的によって料金が大きく変化します。
それぞれの歯列矯正におけるメリット・デメリットは?
歯列矯正にはそれぞれの方法によって大きく特徴が異なります。ここでは、種類ごとのメリット・デメリット をお伝えしましょう。
「とにかく短期間で綺麗にしたい!」という方もいれば、「痛みの少ない方法がいい」「目立ちにくい方法がいい」という方もいらっしゃいますので、それぞれの特徴を踏まえて方法を選んでみてくださいね。
表側矯正のメリット
表側矯正のメリット は、主に以下の通りです。
・他の方法と比べて費用が安い
・裏側矯正と比較すると発音がしやすい
・矯正期間が短くて済む場合がある
表側矯正は歯列矯正の中でも最も一般的な方法です。そのため、他の方法と比較すると安価 で治療を行うことができます。さらには歯の移動に関してもコントロールがしやすいため、比較的短い期間で矯正を終了させられる場合も 。
また、表側矯正は発音に影響する箇所に器具がつかないため、話しやすさにも影響が出づらい ことも特徴。よく話す仕事をされている方には最もおすすめです。
表側矯正のデメリット
表側矯正のデメリット は、主に以下の通りです。
・器具が目立ちやすい
・口が閉じにくい
・食事中にものがはさまりやすい
表側矯正はどうしても器具が目立ってしまうので、周囲からも矯正中であるということが分かります。とはいえ最近は目立たない器具も ありますし、マスクで口元も隠れるので気にならないことも多いでしょう。
ただ、器具を装着すると口元に厚みが出てしまうので、口が閉じづらくなってしまいます。特に上顎前突(出っ歯)の方はいつもよりも口が閉じづらくなり、口呼吸 の原因になることもあるので要注意。
表側矯正の場合は器具にものがはさまりやすく、さらに表側なので口を開けたり笑ったりすると挟まったものが他人から丸見えに。鏡で見なければ挟まっているかどうかが分からないため、食事中は注意が必要 です。
裏側矯正のメリット
裏側矯正のメリット は、主に以下の通りです。
・装置が目立たない
・表側矯正と比べて虫歯になりにくい
・目立つ部分に食べたものが挟まりにくい
裏側矯正の最も大きなメリットは、なんといっても装置が目立たない ことでしょう。その審美性から、人前に出る仕事や芸能人の方などからも人気がある矯正方法です。
また、裏側矯正は口が閉じづらくなるといった弊害がなく、口腔内のうるおいを保つ ことができます。口腔内が乾燥しにくいため、矯正前と比較しても虫歯になるリスクが上がりません。
表側矯正は装置が前面にあるので食べかすが挟まるとかなり目立ってしまいますが、裏側の場合はたとえ食べかすが詰まっても見えにくいです。そのため、見た目を気にせずに思いきり食事を楽しむ ことができますよ。
裏側矯正のデメリット
裏側矯正 のデメリットは、主に以下の通りです。
・表側矯正よりも費用が高い
・発音がしにくくなる
・治療期間が延びてしまう可能性も
裏側矯正は、装置が目立たないよう特別に裏側に器具を装着する矯正方法です。そのため、一般的な表側矯正と比較すると、どうしても費用が高くなってしまいます 。さらには表側矯正に比べて治療の難易度も上がる ため、調整に時間がかかって矯正期間が延びる可能性もある ので覚えておきましょう。
また、歯の裏側に装置があることで、発音する際に舌が器具に触れてしまいます。そうするとスムーズに発音ができなくなる 場合があるため、よく話す仕事をされている方は注意しましょう。
マウスピース矯正のメリット
マウスピース矯正 のメリットは、主に以下の通りです。
・目立ちにくい
・取り外しができる
・痛みが少ない
マウスピース矯正は透明なマウスピースを用いて矯正を行います。そのため、裏側矯正ほどではないもののかなり目立ちにくい です。取り外しも簡単に出来るので、食事や歯磨きの際はマウスピースを外すことができ衛生面でも安心 。
また、マウスピース矯正では1週間~2週間に1度マウスピースを交換 します。1度に動かす距離が少ないため、ブラケット矯正のように調整日にギュッと締め付けられて食事が摂れないほどの痛みを感じる…といったことはありません。
基本的に調整は必要なく、2~3ヶ月に1度経過観察のために通院 するだけでOKです。そのため、忙しい方や歯科医院が遠方にある方でも安心して治療を続けることができますよ。
マウスピース矯正のデメリット
マウスピース矯正のデメリット は、主に以下の通りです。
・装着時間をしっかり守る必要がある
・マウスピース矯正に適応しない事例がある
・作り直しが必要になることも
マウスピース矯正は基本的に、1日20~22時間程度の装着時間を守る必要 があります。基本的に食事以外の時間はずっと装着する必要があるため、飲み会や外食が多い方は自己管理が大変かもしれません。きちんと装着しないとすぐに後戻りしてしまう ため、マウスピースが合わなくなって作りになってしまう…ということもよくあります。
また、歯並びによってはマウスピース矯正で治療ができないケースもある ので注意が必要。仮に治療を開始することができても、ワイヤーやブラケットを補助的に用いて治療を行う必要があるケースもあります。
自分に合った歯列矯正の方法を探そう
今回の記事では、歯列矯正の種類やそれぞれの特徴、メリット・デメリットについてご紹介しました。
歯列矯正には主に「表側矯正」「裏側矯正」「マウスピース矯正」 の3種類があり、それぞれ特徴が大きく異なります。また、マウスピース矯正にも「インビザライン矯正」「キレイライン矯正」 などの種類があるため、最終的なゴールをどこに設定したいかによって向いている治療方法も変わってくるでしょう。
とにかく料金を抑えたいのであれば表側矯正 、矯正していることがバレたくないのであれば裏側矯正 、目立たなさと衛生面を両立させたいならマウスピース矯正 がおすすめです。また、噛み合わせよりも見た目を重視する方はキレイライン矯正が向いているでしょう。
それぞれの方法にメリット・デメリットがあり、生活スタイルによっても向き不向きがあります。今回の記事を参考に、ぜひご自身に向いている歯列矯正の方法を探してみてくださいね。