歯に違和感があっても「歯医者に行く時間がない」「歯医者が怖い」と治療を後回しにしていませんか?痛みを感じたときには既に虫歯がかなり進行してしまっているかも。
虫歯はさまざまな生活習慣が原因で引き起こされる病気です。放っておくと進行し、自然に治癒することはありません。さらには口腔内が感染を起こして細菌が体内に取り込まれ、全身の病気 になる可能性も。
とはいえ、しっかり口腔内のケアをして虫歯予防を行い、定期的に歯医者へ通うことで虫歯を予防することができます。万が一虫歯ができてしまっていても、早期発見ができれば問題ありません。
今回の記事では、虫歯の原因 や症状の進行 、具体的な治療方法 や予防方法 についてご紹介します。「虫歯がある気がする」「実際の治療方法が知りたい」という方はぜひ参考にしてください。
虫歯の原因は?
虫歯 は、プラーク(歯垢)に潜んでいる虫歯菌が酸を出して歯を溶かすことで起こるものです。歯磨きを怠るなどして口腔内の環境が悪化すると、プラーク(歯垢) が蓄積し、虫歯菌 がどんどん増えてしまいます。
虫歯菌は糖分のある環境で繁殖しやすいため、甘いもの をよく食べる方は要注意。他にも歯並びや歯磨きの状況 、口の乾燥具合 によっても虫歯になりやすさが異なります。
他の人と同じように歯を磨いていても、口腔内の状況によって虫歯になりやすい方もいます。そのため、自分の口腔内の状況を知り 、適切なケアを行うことが何より大切でしょう。
虫歯になりやすい行動
このように、虫歯はさまざまなことが原因で起こってしまうことが分かりました。特に虫歯になりやすくなる行動は、主に以下の6つが挙げられます。
- 歯磨きの回数が少ない
- 間食が多い
- 甘いものをよく食べる
- しばらく歯医者に行っていない
- 歯並びが悪い
- 口呼吸をしがち
これらの行動は、虫歯になるリスクを大きく引き上げている要因です。それぞれについて詳しく解説しましょう。
①歯磨きの回数が少ない
歯磨きの回数が少ない と、口腔内にプラーク が溜まりやすくなります。虫歯菌の繁殖源であるプラークが溜まれば溜まるほど、虫歯菌が増えやすい環境になります。そのため、虫歯になる可能性が高くなるでしょう。
歯磨きは、可能であれば毎食後 行うことが望ましいです。難しい場合は朝晩1回 ずつでも行ってください。特に就寝中は虫歯菌が繁殖するリスクが高くなるため、寝る前の歯磨き かさず行いましょう。
②間食が多い
口の中に食べ物がある時間が長いと、虫歯菌が繁殖しやすい状況を作り出してしまいます。また、間食 が多いと歯に食べかすや歯垢が残りやすくなり、虫歯に繋がる可能性もアップ。
口腔内は唾液によってある程度清潔が保たれていますが、間食があまりに多いと唾液による環境保持も難しくなります。毎日間食をしてしまう方は、なるべく頻度を減らす ように心がけましょう。
③甘いものをよく食べる
虫歯菌は糖分をたっぷり含んだ甘いものが大好物です。そのため、甘いもの の食べかすが口腔内に残っていると、さらに虫歯を引き起こすリスクが高まってしまいます。
とくに間食で甘いものを食べる方も多いはず。その場合は間食後にきちんと歯磨き をすることを心がけましょう。
④しばらく歯医者に行っていない
どんなに歯磨きや食事習慣に気を付けていても、虫歯になってしまう可能性はあります。そのため、気が付かないうちに虫歯になっていた…と言うパターンも多いもの。しばらく歯医者で診てもらっていない場合は、虫歯になっている可能性が高いでしょう。
また、最もNGなのは「歯に違和感があるけれど歯医者に行かない」 というパターン。歯に痛み や違和感 がある時点で、虫歯がかなり進行している可能性が高いです。放置するとどんどん進行するばかりなので、早めに歯医者へ行きましょう。
⑤歯並びが悪い
歯並びが悪い と、どうしても歯の磨き残しが多くなります。そのため、磨き残しやすい部分にプラークが溜まり、虫歯になりやすい状況に。
特に歯が重なっていたり、ガタガタしたりしている叢生(そうせい)の方は要注意です。歯と歯の間 は特にプラークが溜まりやすい部分なので、丁寧に磨きましょう。
⑥口呼吸をしがち
先述した通り、口腔内は唾液 によってある程度清潔が保たれています。しかし、口呼吸 をすることで口腔内が乾いてしまいますよね。口腔内が乾燥すると菌が繁殖しやすくなり、結果として虫歯に繋がる可能性が高まります。
また、虫歯菌以外の細菌の繁殖を招きやすい状況にもなります。口呼吸が癖になっている方は鼻呼吸 に切り替えましょう。
虫歯の症状はどのように進行する?
虫歯は、進行状況によって「C0」「C1」「C2」「C3」「C4」の5つに分類されます。これらの具体的な状態や進行状況について、詳しく解説しましょう。
C0は虫歯の一歩手前
C0は「要観察歯」 とも呼ばれます。いわゆる虫歯一歩手前 の状況であり、自覚症状はほぼありません。
まだ歯の表面に穴は開いておらず、痛みもない状況です。歯のエナメル質が溶け始めている状態ですが、舌で触っても分からない程度。そのため、定期健診等で歯医者に行って発見されるパターンが多いです。
C1は歯の表面に浅い穴が開く
C1はいわゆる初期虫歯 の状態です。歯の表面のエナメル質が溶け、浅く穴が空いてきます。エナメル質が溶けた段階ではまだ痛みが出ないので、自分で気づくことはなかなか難しいでしょう。
よくよく観察すれば自分で気づくこともできますが、C0と同じく歯医者で発見されることが多いです。
C2は象牙質まで進行
C2はエナメル質のさらに奥、象牙質まで虫歯が進行した状態です。見た目でも深い穴 が空いていることが分かるようになってきます。
虫歯が象牙質まで進行すると、痛みが出たり 冷たいものが沁みたり して、自覚症状が現れる場合が多いです。
C3は神経まで進行
C3は象牙質のさらに深く、「歯髄」 と呼ばれる神経まで虫歯が進行した状態です。何もしなくても激しく痛むようになります。
歯髄が細菌感染を起こしてしまう危険性もあるので、放置するのはかなり危険。一刻も早く歯医者に行って治療を受けましょう。
C4は歯の根元だけ残った状態
C4は虫歯の末期状態 。歯の根っこ以外はほぼ溶けてしまっています。ここまでくると歯の神経が死んでしまっているので、もはや痛みを感じることもありません。
C4になると、歯の根元がむき出しになっているので細菌感染のリスク や膿が溜まる 可能性もより高くなります。
虫歯の具体的な治療方法
虫歯には5段階の進行具合があることが分かりました。それでは、それぞれの段階でどのような治療を行っていくのでしょうか?
「虫歯の治療が怖い」 「痛いのが苦手」 という方もいらっしゃるでしょう。ここでは虫歯の進行状況に応じた具体的な治療方法について解説します。
C0は歯の再石灰化を促す治療を行う
C0は虫歯の一歩手前ですので、この状態で気づくことができたら歯を削る必要はありません。フッ素の塗布 などによって、歯の再石灰化を促します。
早期発見と処置 、そして適切なホームケア を行うことで、歯を削ったり神経を抜いたりするような治療を受けなくて済みますよ。
C1はフッ素塗布or狭い範囲を削って詰め物
画像出典: ホワイトエッセンス公式サイト
C2は象牙質まで虫歯菌に侵された状態。象牙質は柔らかく虫歯の進行が速いので、一刻も早く治療を行う必要があります。
虫歯菌に侵されたエナメル質・象牙質を削り取り、詰め物 をします。進行が進んでいる場合は被せ物 が必要になるケースも。
C3は神経を取り除く治療が必要
C3は神経まで虫歯が進行している状態。ここまで進行してしまうと、残念ながら神経 を取り除かなければなりません。
C2と同様にエナメル質と象牙質を削ってから、神経を抜く治療 を行います。C3まで進行すると治療にも時間がかかりますし、神経を取り除くことで歯の寿命が短く なってしまいます。
C4は抜歯を行うことがほとんど
C4は歯の根っこしか残っていない状態なので、健康な状態で歯を残すことが難しくなります。そのため、抜歯 を行うことがほとんど。
抜歯後には入れ歯やインプラントなどによって、抜歯した部分を補います。C4の治療には時間やお金 もかなりかかってしまうので、非常に負担が大きくなります。
虫歯を予防するには?
虫歯が進行すればするほど、治療には時間や費用が必要になります。場合によっては痛みを伴う治療もあるので、初期のうちに治療するに越したことはありません。
また、虫歯は予防 も大切。生活習慣を見直すことで、ある程度虫歯を予防することできます。具体的な方法は以下の通り。
- 寝る前にしっかり歯磨きをする
- 歯ブラシ以外の清掃機具を賢く利用する
- 間食や甘いものは控えめに
- 定期的に歯医者でクリーニングを受ける
これらについて、詳しく解説しましょう。
①寝る前にしっかり歯磨きをする
画像出典: ホワイトエッセンス公式サイト
虫歯予防で最も大切なのは歯磨き です。正しい方法で丁寧に歯磨きをすることで、虫歯の原因となるプラークを取り除くことができます。
可能であれば毎食後の歯磨き が理想ですが、難しい場合は朝晩、その中でも寝る前 の歯磨きは重点的に行いましょう。就寝中は唾液の分泌量が減るので、口腔内が乾燥して細菌が繁殖しやすい状況になります。
就寝前の歯磨きを丁寧に行うことで、1日の汚れをスッキリ落とすことができます。健康な歯を1本でも多く残せるよう、寝る前の歯磨き を習慣にしましょう。
また、歯磨き粉はフッ素入り のものを使うのがおすすめ。フッ素は虫歯の原因である酸の酸性を抑制し、歯の再石灰化を促します。
②歯ブラシ以外の清掃機具を賢く利用する
歯ブラシは歯の表面の広い部分を綺麗にするのに向いている道具です。そのため、歯ブラシのみだと目に見える汚れを取り除くことはできますが、細かい部分の清掃が行き届きにくいというデメリットがあります。
基本的に虫歯になりやすい箇所は「歯と歯の間」 や「歯と歯茎の境目」 など、歯ブラシだけでは手入れが行き届きにくい箇所。そのため、別の道具を使用して丁寧に汚れを取り除くことで、虫歯をより効果的に予防することができます。
歯と歯の間を清掃するのに向いているフロス や歯間ブラシ 、歯の根元を清掃するのに便利なタフトブラシ(先端が細い歯ブラシ) などを活用しましょう。これらを活用することによって磨き残しが減り、口臭などの予防にもつながります。
③間食や甘いものは控えめに
通常時の口腔内は中性に保たれていますが、食事をすると酸性 になります。口腔内が酸性になると、より虫歯菌の影響を受けやすい状態 に。
間食が多いと、口腔内が酸性になっている時間が長くなり、より虫歯になりやすい状況を作ってしまいます。そのため、なるべく間食は控えるようにしましょう。
また、間食に甘いものをよく食べる方はさらに要注意。糖分 は虫歯菌が繁殖しやすい状況を作ります。ケーキやクッキーなどの甘いおやつだけでなく、糖質が多く含まれる炭水化物やジュースの摂りすぎにも注意してください。
「どうしても間食がやめられない!」という方は、キシリトール が含まれているおやつがおすすめ。甘みもありますし、ちょっとしたおやつにもピッタリです。
④定期的に歯医者でクリーニングを受ける
画像出典: ホワイトエッセンス公式サイト
毎日丁寧に口腔ケアをしていても、どうしても磨き残しや行き届かない部分は出てしまいます。また、初期の虫歯は自覚症状がない ことが多いので、自分で気づくことが難しい場合も。
そのため、歯医者での定期的なクリーニング はとても大切です。定期的にクリーニングをしてもらうことで、歯と歯の間などの磨き残しをしやすい部分も清潔に保つことができますし、初期虫歯の早期発見にもつながります。
虫歯がないかどうかの状態を見てくれたり、歯磨きの指導をしてくれたりする歯医者もあります。ぜひ半年~1年に1度は歯医者にクリーニングをお願いしましょう。
初期虫歯の放置は危険!気になったら歯医者へ
今の記事では、虫歯の原因や進行状況の段階、具体的な治療方法や自分でできる予防についてご紹介しました。
虫歯は歯磨き不足や甘いものの食べ過ぎなどによって起こりやすくなります。虫歯のなりやすさには個人差があるものの、どんな人でも虫歯になる 可能性はあります。
虫歯は放置すればするほど進行し、自然に治癒することはありません。虫歯が進行すればするほど、治療に時間や費用が掛かってしまいます。なるべく短期間かつ最小限の費用で治療を終了させるためにも、少しでも違和感を覚えたら早めに歯医者へ治療 に行くことをおすすめします。
虫歯がなくても定期的に歯医者へ行き、クリーニングをお願いすることで虫歯を事前に予防することができますよ。歯は生涯付き合っていくものなので、若いからといって油断をせずに大切にしてあげましょう。